WiMAX端末 URoad-8000使用レビュー

昨年、WiMAXに回線をまとめることで、通信費を節約する記事を書いたが、そこで使用し始めたWiMAX機器、シンセイコーポレーションのURoad-8000についての使用感などをまとめようと思う。

開封


製品の外箱は、ルーターの白と、黒色を基調としたシンプルなものだが、ルーター部分が光沢塗装になっており、高級感がある。

開封すると、ルーターが一番上に来るようになっている。どことなくApple製品のパッケージングに通じるものがあるアクセサリー類は、製品の下に箱に入っている。

充電用のマイクロUSBコード、リチウムイオン電池、充電用ACアダプタなどが含まれている。この他に、説明書、保証書なども付属する。

接続


WiMAX回線への接続は非常に簡単で、電源ボタンを長押ししブラウザから設定画面にアクセスし、開通作業のボタンを押すだけ(事前にプロバイダにて申し込みをする必要がある)。その後は電源ボタンのON/OFFのみでWiMAXを使うことができる。ちなみにインジケータは、左から電池の残容量、Wi-Fi動作確認、WPS動作確認、WiMAX電波強度を示している。自宅内(鉄筋コンクリート造のアパート一階)では基本的にオレンジのランプ、つまり中程度の電波強度で接続されている。
各種の機器への接続は、WPS接続か、直接パスワードを入力することで簡単に設定できる。例えばiPhoneであれば、WPSは使用できないので、設定から自分のルーターのSSIDを探し、そこに本体裏蓋を開けた所にあるKEYを入力することで認証される。


 


ルーター本体について


充電にはACアダプタを使う方法と、パソコンやエネループなどの携帯バッテリーから、USBで給電する方法の二種類がある。また、あまり実用的ではないが別途バッテリーを購入すれば本体にて充電することで予備のバッテリーとして使用することも出来る。
充電に要する時間は3、4時間程度といったところだろうか。電源をONにして通信しながら充電すると、更に遅くなる印象だ。充電時/使用時の発熱は、前モデルのU-Road7000に比べるとかなり少なくなったと言っても良い。Try WiMAXの懸念事項のひとつに、使用中かなり本体が熱を持つという点があったので、そこはかなり満足である。発熱の度合いは、カバンの中などに入れておくと、ほんのり暖かくなる程度である。

実使用レポート




購入したのは昨年の9月ごろだが、今日まで特に問題もなく使えている。使っていて最も実感するのがこの製品のウリのひとつであるバッテリー持続時間(9時間)で、カバンのなかに電源をつけたまま入れっぱなしにしていて、もう切れてるかなーと思っていても動作しているので、助かったことが多い。
ただ、電源ボタンが割と押しやすい位置にあるため、稀にだがカバンの中でいつの間にか電源が切れていたり、入っていたりすることがある。
また、本体のインジケータが太陽光下では大変見づらく、外で使っている時に電波強度の確認をしたい時にわざわざ手で覆わなければ分からないので手間だ。
肝腎のWiMAXについてだが、速度・回線品質ともに不満はほとんどない。地上のサービスエリアであれば基本的に繋がらないことは無いし、大人数が集まるような場所でも通信が詰まったりといったことも無かった。
ただし、地下街や地下鉄などではまず繋がらないと思ったほうが良いだろう。
また、高速移動中、例えば新幹線や特急電車などといった公共交通での使用感については、以前Try WiMAXで使用したURoad-7000ではしばしば通信が途切れてハンドオーバーの悪さが目立ったが、この機種では高速移動中でも問題なく通信できる場面のほうが多かった。ハンドオーバーが上手い機種と言えるだろう。
ルーターの大きさはクレジットカードなどのカード類と同サイズで、厚みは2センチ程度、重さは100グラムといったところ。ジーンズなどのポケットに入れるのも問題ないサイズである。デザインは全面ホワイトで、Apple製品との相性がいい。現在ではホワイトのほかにライムグリーンとピンクの新色も発売されているため選択の幅が増えた。

昨年12月頃には、ファームウェアのアップデートがあり、IEEE802.11nと、機器との接続が切れた時の自動待ち受けモードに対応し、この機能を使用した場合の公称バッテリー時間が18時間にまで伸びた。当方の環境では基本的に常時接続なので、あまりこの機能の良さを実感できてはいないが、ゲーム機やモバイルパソコンとの相性は良好だろう。
総合的に見れば、多々あるWiMAX機器の中で、かなり長いバッテリー持続時間と本体の小ささ、安定した通信を併せ持つ本機種は良い選択であると言えるのではないだろうか。